こんにちは。アラビア語科一年広報局のせなみです。
私は現在、一か月の短期留学でエジプトのカイロに来ています。アラビア語科の学生は一年生の終わりのこの時期に原則全員がエジプトかヨルダンのどちらかに語学留学に行くことになっており、無事一年間アラビア語の授業を終えた私もカイロ留学に来ることができました。
正直なところ、一年前の4月1日に短期留学を宣告されたときには、この短期留学は一年間勉強を頑張ったご褒美のようなものだと考えていました。しかし現実はそう甘くはなく、いくつかの壁にぶち当たることになっています。
まず、現地のアラビア語が全然わからないということです。アラビア語には、「正則語(フスハー)」と呼ばれる書き言葉でありなおかつ二十数ヵ国もあるアラビア語圏の公用語としてのアラビア語と、「各地方言(アーンミーヤ)」と呼ばれる日常の会話に用いられるアラビア語があり、これらは単語や発音が異なります。大学の授業ではフスハーを習うので、町の人が話すエジプト方言を聞き取るのはとても難しいです。エジプトに来るにあたって少し方言も勉強しましたし、そもそもエジプト人もなまっていますがフスハーは喋れるので全く何もわからないわけではありませんが、それでもアラビア語学習の途方もなさを実感するばかりです。
また生活や環境も日本とは異なります。毎朝5時にイスラーム教の一日五回の礼拝の時間を知らせるアザーンというものがあり、これが町中で鳴り響いています。部屋の中でもしっかり聞こえるので毎朝5時に目が覚めるようになってしまいました笑 また道を歩く時も、横断歩道が極端に少ないので大通りも車の間を縫って横断しなければなりません。道には野犬が多く、噛まれれば狂犬病になってしまう危険もあります。食品の衛生状態も日本ほどよくはないのでお腹を下してしまう人も多いです。最初の一週間はこうした生活への順応にかなりの体力を要しました。
そして2020年2月というこの時期特有のものとして、アジア人差別が挙げられます。新型コロナウイルスが世界的に流行する現在、世界各地でアジア人、特に東アジアの人々に対する風当たりが強くなっていますが、エジプトも例外ではありません。元々アジア人が珍しいので道を通ればにやにやしながら「ニーハオ」と声を掛けられることはあったようですが、今はこれに若干の敵意のようなものが混ざるようになっているような気がします。道行く若者たちに「コロナ!」とはやし立てられたり、わざとらしくくしゃみをされたり、鼻や口をおおわれたり、地下鉄に乗ったときには避けられたり全速力で逃げられたりすることもありました。最初は驚きましたし、しんどいな、と思うことも多かったのですが、次第に慣れていきました。みんながみんなそういうことを言うわけではないし、嫌な人のことは無視して堂々としていればよいのです。
他にもいろいろありますが、私が10日超過ごして感じたことは主にこの三つです。特に三つ目の差別に関しては、日本人として日本で暮らしている限りあまり体験しない出来事だと思います。自分が今まで無知だったことに関して少しでも知ることができたということは今回の短期留学の一つの収穫だと思います。
これが掲載される頃には滞在も残り2週間の折り返しです。スタッフブログを読んでくださっている方の中には外大入試を終えて結果を待っている人もいるかもしれません。結果が良いものであることを祈っています。
写真はナイル川に架かる橋からの景色です。街が全体的に茶色い。