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【第103回外語祭 ポスター制作者からのメッセージ】

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こんにちは!第103回外語祭実行委員会 広報局です。

今年度外語祭のポスター制作者様よりメッセージが届きましたので、ぜひご覧ください!

 

第103回外語祭ポスター「世界がもっと、近くなる日」

はじめまして。東京外国語大学国際社会学部2年、インドネシア地域専攻の河村百恭です。

この度、デザインコンテストにて最優秀作品に選出していただくことができ、大変光栄に思っております。

 

 今回、私は「ページ」というテーマに基づき、この作品を制作いたしました。

この言葉には2つの意味があります。ひとつは、これまで102回行われてきた外語祭の歴史に新たな1ページを加えること。もうひとつは、外語祭に来てくださる方々が、未知との出会いを通して刻まれる、自分自身の歴史の中の「1ページ」ということです。

 

  ところで、私たちは日常の中で、自分の価値観を「当たり前」として生きています。

時間を守ること、秩序を大切にすること、仕事や責任を優先すること――こうした感覚は、日本で育った私にとって疑う余地のない前提でした。 

 しかし、東京外国語大学に入学し、インドネシア語を学び、その文化や人々の暮らしに触れたとき、私は大きな衝撃を受けました。

時間は柔軟であり、人とのつながりや共同体が最優先される。祈りや宗教が日常の中心にある。これまで正しいと思っていた生き方が、まったく別の地平に移されたかのように感じられたのです。

 

  この経験は「暴力的」とも言えるものでした。

固く信じていた価値観が根底から揺らぎ、自分の世界が書き換えられる感覚を味わったからです。しかし私にとっては、その揺さぶりは恐怖ではなく解放感であり、「世界はひとつの形だけではなく、多様に存在しているのだ」という新鮮な驚きでした。私はこの経験を、自分の人生の中の大きな 「1ページ」 として残しています。このページは、外語祭や大学で出会った仲間、さまざまな価値観を持つ方々との交流を通じて生まれたものです。 

 

 価値観が劇的に変わることは、喪失ではなく「移行」です。

古い自分が消えるのではなく、新しい自分へと変わっていく。その「1ページ」が、世界をまた違った表情にしてくれます。その「1ページ」として、この作品の中の本のページは存在しているのです。

 

  今回の外語祭のテーマ「世界がもっと、近くなる日」にもあるように、外語祭は普段触れることのない世界に出会える学園祭です。

様々な言語や地域を専攻する学生が、その地域に基づいた料理店や語劇を催し、来場された方々に地域の魅力を伝えています。「東京外国語大学」の英訳“Tokyo University of Foreign Studies”にもあるように、この大学は単に言語を学ぶだけでなく、各地域に関する幅広い知識を総合的に学ぶことができる大学です。

そして外語祭には、こうした学びや経験が、実際に直接触れられる形で凝縮されています。

 

 その中で、外語祭にお越しくださった方々には、ぜひ自分の中の何かを変える 「1ページ」 を探していただきたいと思います。どんなことでも構いません。外語祭の一日は、皆さんの心の中で小さな驚きや発見をつくり、普段は出会うことのない文化や価値観と触れ合うきっかけとなるでしょう。

そしてその1ページが、皆さんの日常に少しずつでも新しい視点や気づきをもたらし、未来の自分や世界の見え方を広げる手助けとなれば、これほど嬉しいことはありません。

 

 この作品には、東京外国語大学で学ぶことのできる27言語全てが書かれています。

そしてこれらの言語は、制作段階では様々な地域を専攻する私の友人が、そして完成後は外語祭実行委員の皆さまが、時間をかけ添削し、修正指示を出してくださいました。この度は私が制作者としてこのような機会をいただくことができましたが、この作品は決して、私ひとりでつくりあげたものではありません。

この作品の制作を最後まで支えてくださった方、そして全ての言語及び専攻に対し情熱と尊重の意を持ち、最後まで修正に立ち会ってくださいました外語祭実行委員会の皆さまに、この場をお借りして、心より感謝申し上げます。

 

国際社会学部2年 インドネシア地域専攻 河村百恭

 

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