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それからも生活は続く

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こんにちは。外語祭実行委員会事務局局長のこはるです。11月はすっかり秋ですね、もう冬かも。

今朝目が覚めて起き上がって最初に見たものが何だったか、思い出せますか?
書いているわたしは思い出せません。
まあ多分、人ってそういうもの。
わたしは視力が悪いので、朝起きたらすぐに眼鏡をかけます。
眼鏡をかけると確かにはっきりと見えるものは増えるけど、レンズの外にあるものは相変わらずぼんやりとしています。
視力によって違いはあれど、わたしたちが見ることができる範囲はそんなに広くない。
見えているとしても、意識したり認識したりしているのはそのたった一部。
意識した、認識したはずのことも時間が経つともう覚えていない。
別に試験前だけの話ではなく、日常的にそんなことを実感しています。

わたしが幼かった時の記憶で思い出せるもの。
砂利に座った時の少し痛い感触。
家のたたみで絵本を読んでもらったこと。
初めて乗ったブランコから見えた景色。
幼稚園に車で行った朝、車からジャンプして降りたこと。

さすがにもっとありますがそれでも少なすぎて、しかも特別な行事ほどあまり覚えてなくて誰かに対して申し訳ない気もします。
つまりそれくらい、わたしは特別なことを覚えていることが苦手なようです。
逆をいうと、わたしにとって大切なのは日常的な「生活」のようです。

今日も外語祭に向けた準備作業をしていました。
よく働いた。よく笑った。楽しかった。
じゃあ、1年後の自分は今日を覚えているのかな?なにを思い出せるんだろう?

特別じゃない毎日でも、なんでもない毎日でも絶対に「どうでもいい」毎日にはしたくない。
細かいことは忘れてしまっても、覚えていたいことを写真に残したり書き留めたりする、覚えていたいと思えるなにかを見つけられる、そんな毎日にしたい。
覚えていたいことは強く捕まえて離さない、わたしだけでもいいから記憶に留めておきたい。
もちろん、わたし以外の人にとって大切なことを無下にはしません。
でも、わたしにとって大切なことはわたしが決めます。
わたしにとって大切なことは、わたしが大切にします。

外語祭本祭の記憶で思い出せるもの。
手の先の寒さと晴れた空。
料理店、模擬店の色とりどりの装飾、おいしそうな香り。
日頃の努力が実を結ぶ、語劇から放たれる引力。
野外ステージで繰り広げられる、思わず見入ってしまうほどのパフォーマンス。
講義棟内を彩る外大感あふれる企画。
キャンパス中に施された多種多様な装飾。
赤いスタッフジャンバーを着て一生懸命に駆け回る本部員。

外語祭を迎えるまでの記憶で思い出せるもの。
料理店や模擬店、屋外音楽企画など、屋外で企画を出店する団体をサポートする事務局員としての地道で膨大な仕事。
直前期、実行委員会全体をおおうせわしなさと高揚。
本部員の、他でもないわたしが知っているのは特に、事務局員の途轍もない頑張りと笑顔。
先輩の背中の広さ、同期の横顔の頼もしさ、後輩の努力の誇らしさ。

自分と同期を比べて、ときには先輩や後輩と比べて「できない」ことに劣等感を感じることも少なくありませんでした。
自分の逃げ癖や弱さに直面して落ち込むこともありました。
3年間、実行委員会に所属してきて、ずっと自分を好きでいられたわけじゃありませんでした。

だけど、わたしは実行委員として、事務局員として3年間活動するという選択をした自分に感謝しています。
ずっと覚えていたい、素敵な生活の記憶がたくさんあります。
よく頑張った、よく楽しんだ。最後までもう少し頑張れ。

外語祭のための準備期間も外語祭期間中もずっと、生活が続いているし、外語祭が終わった後も生活は続く。

第97回外語祭が事故なく安全に終わりますように。

そして願わくば第97回外語祭が、参加する企画団体、来場者、実行委員を含む、外語祭に携わるすべてのみなさまの生活の中でささやかにでも光り輝く思い出のひとつに、折に触れて思い出す大切な記憶のひとつになりますように。

こはる(事務局長)