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映画監督ワールドツアー2020

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こんにちは、企画局1年の高橋昌暉です。僕は洋画が大好きなので、僭越ながら今回は洋画に関することを書こうと思います。日本で公開される洋画は出来る限り映画館で鑑賞しようとしているのですが、お金や時間の都合でそれが叶わないことも多々あります。そういうときは、贔屓にしている映画監督もしくは役者さんの映画を優先して見るようになってしまいます。ということで、今回は映画監督にスポットを当て、外大っぽく(?)僕の好きな世界各国の映画監督をご紹介できたらなと思います。

①ポール・トーマス・アンダーソン:米国の旗:
現代アメリカ映画を代表する映画監督と言っても過言ではないPTA監督。その作家性の特徴として挙げらるのは「人に対する観察眼の鋭さ」だと思います。役者の素質を完璧に理解した配役や音楽で作品の呼吸を自在に操るなどの映画の技も一級品!手掛けるジャンルに一貫性はないのですが、その作品にハズレなし!の一生ついていく覚悟ができている監督です。個人的なベストは『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(07)です!是非!

②フランソワ・オゾン:フランス:
フランス映画には映画を発明したリュミエール兄弟に始まり、ヌーヴェルバーグ、そして現代に至るまで華々しい歴史があります。現代フランス映画に以前のような活気はありませんが、それでも名を馳せている映画監督は何人か存在します。フランソワ・オゾンはその中の一人で、特にキャリア初期の作品はどれもオススメなのですが、その中でも『まぼろし』(00)を是非!近年では『危険なプロット』(12)が流石の出来です。

③ミヒャエル・ハネケ:オーストリア国旗:
キャリア初期の作品については書き出してしまうとネガティヴキャンペーンになってしまうので、彼の作風がそれ以降でガラリと変わった転換点となる作品をご紹介。『白いリボン』(09)は、物語に充満する「悪意」に魅了されてしまう非凡な作品です!オーストリアの監督で本作はドイツ語の作品ですが、フランス語で撮った作品もいくつかあります。

④アンドレイ・ズビャギンツェフ:ロシアの旗:
ロシア映画といえば(ソ連時代の)アンドレイ・タルコフスキーになるのだと思いますが勉強不足でごく一部の作品しか鑑賞できていないため、ここでは現代ロシア映画の旗手、アンドレイ・ズビャギンツェフをご紹介!ズビャギンツェフはロシアの寒々とした陰鬱な空気を画面に封じ込めるのが抜群に巧く、画で語ることのできる監督です。初の長編『父、帰る』(03)を是非!

⑤アスガー・ファルハディ:イランの旗:
イラン映画といえば、他にアッバス・キアロスタミなども世界的に評価されている監督ですが、今回はイラン映画を世界に知らしめたという意味でアスガー・ファルハディは外せないと思い、彼をご紹介!彼はアカデミー賞外国語映画賞を2度も受賞していて(!!)、その2作品『別離』(11)、『セールスマン』(16)はどちらも秀作です。特筆すべきはその演出の手際の良さ!日本ではまだまだマイナーなイラン映画を是非。

⑥ポン・ジュノ:韓国:
韓国には優れた映画監督が多くいるのですが、やはりこの人は避けて通れないということでポン・ジュノをご紹介!『パラサイト 半地下の家族』のオスカー受賞に沸く韓国映画界ですが、それ以前の作品でも『ほえる犬は噛まない』(00)、『殺人の追憶』(03)、『母なる証明』(09)などが特に傑作です!人間の白黒つけられない複雑怪奇な部分を誠実に見つめ、それを様々に調理できる一級の映画術が魅力です。

⑦ペドロ・アルモドバル:スペイン:
ラストは大大大好きなスペイン映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバルをご紹介!彼は人間をありのままに描くことを厭わず、その弱さも強さもまるごと愛し、そこに潜む哀しみや喜びを丁寧に掬うことのできる監督です。画作りも非常に美しく、目を見張る色彩感覚に思わず唸ってしまいます。そしてその画にはスペインの「色」が見事に落とし込まれています。監督作は全てオススメしたいですが、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(88)、『オール・アバウト・マイ・マザー』(99)、『トーク・トゥ・ハー』(02)、『ボルベール〈帰郷〉』(06)などは特に傑作です!

今回は以上の7人をご紹介しました!皆さんが少しでも気になる作品があったら嬉しく思います。「土地」というのは映画を撮る上で非常に重要な要素であると感じます。例えば、どうしても湿度の高い画になってしまうため、日本でドライなユーモアを散りばめた喜劇を撮ることは難しいと思いますし、逆にアメリカ西海岸のようなカラッとした空気をもつ土地で涙にまみれた人情話を撮ってもミスマッチが甚だしいのではないでしょうか(もちろん、ミスマッチの妙ということもあると思います)。今回ご紹介した7人の監督は、いずれもその土地の「色」を捉えるのに長けています。これからどんな作品を撮ってくれるのか楽しみで仕方がありません。リアルタイムで名匠たちの作品を追えることに感謝しながら、これからも映画ライフを楽しんでいけたらなと思います。
最後に、映画全般について述べてブログの結びとさせていただけたらと思います。正直、僕は映画がなくても生きていけますし、困りはしないと思います。極論、映画がないからと言って死ぬわけではありません。けれど、映画があるからこそ僕の無機質な人生に少しだけ彩りが添えられているのだと思います。ささやかな心の拠り所、それが僕にとっての映画なのかなと思います。この文章を書いていて、皆さんの「人生に彩りを添えてくれるもの」についてのお話を聞いてみたいなと感じました。
趣味のことをこんなにも長く書いてしまい申し訳ありません。最後まで読んでいただきありがとうございました! 写真は、この前訪れた旧中山道の宿場町・奈良井宿です。全くブログの内容に関係なくてすみません:おじぎ_男性:これがミスマッチの妙でしょうか。多分違います。

まさき(企画局1年)