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盤上の花火

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渉外局2年の上條です。よろしくお願いします。

いや、本当は今年の外語祭がものすごく楽しみだよっていう話を書こうと思ったんです。自分が訪れた第97回以来、3年ぶりに料理店が開催されるんですよ。楽しみでしかないです。でも、楽しみすぎるんです。11月にあの素晴らしい光景が戻ってくるということが、何というか信じられなくて、今から浮ついています。というわけでその気持ちを言葉にするのがなかなか難しいので、自分勝手ながら趣味のことについて書きたいと思います。

かなり申し遅れましたが、自分は渉外局2年、ドイツ語科のかみと申します。自分はそう多趣味というわけではなく、比較的飽きっぽい性格でもあるのですが、そんな自分が小2からずっと続けている趣味があります。それが将棋です。英語だとJapanese chessですかね。チェスと将棋って親子みたいな関係に思われがちなんですが、実は違います。どちらもチャトランガというインドのボードゲームを起源とする説が有力で、すなわちチェスと将棋は兄弟のような関係なんですね。

将棋は、日本では「伝統文化」という認識でそれなりに認知度があるかと思います。ルールは知らなくても、田舎のおじいちゃんがやってたとか、家に将棋盤があるとか、何かしら人生の中で触れた経験があるのではないでしょうか。自分の場合は小2の時、色々なボードゲームができるセットの中に将棋を見つけたのが将棋との出会いでした。それ以来、かれこれ10年以上将棋を続けてきているわけですが、その魅力は何なのか、以下に記したいと思います。

1つ目は何といってもゲームとしての魅力です。たった81マスの盤の上で駒を動かすわけですが、その局面の可能性はなんと「阿伽羅」ー10の224乗!にもなります。自分もこれまで数千の対局をしてきていますが、一度として最後まで同じように進んだことはありません。それだけの膨大な可能性が広がる世界の中で、自ら考えて最善の手を探していく、それが何より楽しいのです。

2つ目はコミュニケーションツールとしての魅力です。道場でも大会でも、見ず知らずの人といきなり対局をするのは普通のことです。小学生とご老人が対局しているなんていう様子もしばしば見られます。人生の経験も価値観も違うかもしれないけれど、将棋盤の前では誰もが対等です。「将棋の下の平等」なんていったら大袈裟ですかね。さらに対局が終わった後の「感想戦」も、これまた魅力的な習慣です。勝負事が終わった後に、お互いがその勝負を振り返って意見を交換するなんてこと、なかなか他では見られないですよね。

3つ目は観戦の魅力です。将棋にもプロの世界があり、プロ棋士の対局はネット等で中継されています。盤の前に座って2人が考えているのを見て何が楽しいの?と思うかもしれませんが、これが案外人気があるんです。棋士の一挙手一投足が注目を集める時代なんですね。最近では、将棋のルールはわからないのに中継を見るのが好きな「観る将」という人々も増加しています。自分も夏休み中に、1日かけてプロの対局を最初から最後まで観戦したいなあなんて思っています。

他にもまだまだ語りたいことはあるのですが、これ以上長くなってもという感じですし、現在時刻深夜3時でかなり眠いこともあり、このあたりで締めに入ろうと思います。このブログを読んで少しでも将棋に興味を持ってくださる方が増えれば幸いです。伏線回収でもなんでもありませんが、ブログのタイトルは高校の将棋部時代に発行していた部誌のタイトルです。というわけで最後ばかりは外大生らしく、専攻語の挨拶で締めくくりたいと思います。

Auf Wiedersehen!!

かみ(渉外2年)