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フィルムと視界と解像度

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こんにちは。広報局2年のしめじです。
想像以上に順番が早く回ってきて、正直なに書けばいいのか思いつきません。すぐ書けるほど濃い毎日を送っていません。「去年は何書いたっけ?」と思って見返してみました。趣味について書いていたようです。が、最初の変に気取った挨拶を見て頭を抱え、そっとブラウザバックしました。身の丈に合わないことはするもんじゃありません。そして来年この文章を見返してまた頭を抱えてブラウザバックしてそう。でもこう書くうちにちょっとずつ書きたいことが出てきました。既に1時間経ってますが。
今回も趣味、と関連するちょっと面白いかもしれない話を書いていきます。思い付きです。暇な人は読んでいってください。

最近、私は写真を始めました。デジタルではなくフィルムです。デジタルが主流となった今ではピンとこない人もいるかもしれませんが、まぁ「写ルンです」みたいなもんです。何故あえてフィルムカメラなのかというと、撮れる写真の雰囲気が良いからです。エモいです。上手い写真はまだ撮れなくても、好きな写真が時々撮れます。そして不便さがまた最高です。36枚しか撮れないフィルムを巻き上げて、マニュアルで光に合わせて設定して、ファインダーを覗いて、ピントを合わせてシャッターを切る。この一連の流れがとても好き。
 ただ、ランニングコストがかなりかかります。36枚のフィルムで1500円、現像とデータ化で1500円。おかげで金欠です。長い目で見れば、明らかにデジタルの方が安いし実用的です。でもその実用性に負けないくらいに、雰囲気だとか不便さだとかとは別に、もう一つ良いなと思うところがあります。それは「解像度」です。

 フィルムなんて昔の物よりデジタルの方が綺麗でしょうと侮ることなかれ。実はフィルムそれ自体の解像度はとても高いのです。デジタルでは解像度がセンサーの性能に依存するのに対し、フィルムでは現像後のスキャナーの性能によって解像度が決まります。つまり、たとえ何十年前かのフィルムだろうと、性能の良いスキャナーでスキャンすれば昔の写真、映像を鮮明にみることができます。時々、古い映画の画質向上版、いわゆるリマスター版が出たりしますが、それは現代の進化した高性能スキャナーで昔のフィルムを再スキャンして調整することで綺麗な画質にしているわけです。あと保存性もいいです。この利点やフィルム特有の色合いのために、あえてフィルムを使う映画監督もいます。海外だとクエンティン・タランティーノやクリストファー・ノーラン、日本では是枝裕和が有名ですね。リマスターによって解像度が上がると、今まではつぶれていたり、はっきり見えなかった部分が見えるようになったりします。ぼやけていたものが急に明確に見えるようになるというのはかなり大きいことだと思っていて。それまでとはまるで違う印象を受けることが多々あります。

 そしてこの「解像度」という概念(?) 、普段の生活にも同じようなことが言えると思うんです。カメラで色々なものを撮るようになってから、いつもの視界の解像度がぐんと上がりました。登下校の何ともない道のちょっとした標識が良い被写体に思えたり、ただ川沿いを歩く散歩が何倍も楽しく思えたり。今まで何とも思わなかったものが途端に素晴らしく思えてきます。冒頭で「書くことが無い、書くほど濃い日常じゃない」などと書きましたが、それも解像度を上げれば、写真のように視界の切り取り方を変えれば、このスタブロのテーマなんていくらでも見つかるほどの充実した日常になるんじゃないでしょうか。そんな気がします。まあ、私はそんな域になんて全然達していませんが。いつかは普段の代わり映えしない生活でもいつも幸福を感じられるくらいになりたいものです。
 
気づいたら1700字も書いていました。長っ。ここまでわざわざ読んでくださった方々、お疲れ様でした、そしてありがとうございます。よくわからないことを思いつくままに書きました。小さな良いものに気づけるといいよねという話です。まとまっているのかもよくわかりません。そろそろ好きな写真を添えて終わりにします。とりあえず皆さんもフィルムカメラ始めませんか。

 

 

 

しめじ(広報局2年)