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引退

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こんちには!事務局3年のうぉるとです、と始めるのはこれで3回目であり最後。読んでいる方には知ったこっちゃない事情だが、私は留学に行くためこの夏で外実を引退する。引退?引退というのはずっと頑張ってきた人が集大成の場面を迎えて「これにて引退です…!今までありがとうございました!」と涙ながらに言う言葉なのではないか。私は「引退」すると言える2年半を送ってきたのか、これまた読んでくださっている方には知ったこっちゃないことだが振り返ってみようと思う。

私が外実に、事務局に入った時の衝撃は割としっかり覚えている。誤解を恐れずに言うと、先輩方が少し異常だった。息をすれば可愛いと言ってくれるし、歩けば写真を撮ってくれた。先輩方が怒っているところも、喧嘩しているところも、私がひどく鈍感であるという可能性を勝手ながら排除させて頂くと、1回たりとも無かった。外実は大変な仕事をこなして外語祭を作り上げているんだと主張したい訳では無いが、外実の仕事はそれなりに大変である。それなのに、先輩方はいつも笑顔だった。当時の私は、全員が全員ニコニコしていて、怒ることもなくて、相手に不満をぶつけることもなくて、どうしてこうもまぁ組織が回ったことかと思っていた。不思議だった、のは最初の半年で、それ以降は重大なことに気づいていた。先輩方は、私がひどく鈍感であるという可能性を踏まえても、辛くなかった訳では無い。決して。辛い要素が我々後輩に回ってくる前に抱きかかえて、こっそりカバンにしまっていた。2年生になって、自分が前に出ることが少し増えて、そんな時も先輩方は変わらなかった。私を信じて任せてくれているという体裁を保ちながら、ずっと支えてくれていた。バレないように、補助輪を外して初めて自転車に乗る時のように、支えてくれていた。私はそんな先輩になりたかった。

先輩方は「引退」して、私は3年生になった。後輩たちが息をすれば可愛いと叫び、歩けば写真を撮る日々である。結論から言うと、私は先輩方にはなれなかった。堂々と言うことでもないが、近づくことすら出来なかった。情けない限りである。ただ、1年生の時に感じていた先輩方の異常さは分かったような気がしている。「どうしてこんなに後輩を可愛がってくれるのだろう、どうしてそこまでしてくれるのだろう」と不思議で仕方なかった2年前の私に答えると、後輩は無条件で可愛いのだ。1人の例外もなく、全員が全員可愛い。ただひたすらに愛を注いでいるという、それだけの話である。そしてこれは後輩だけではなく、同期に対しても、先輩に対してもそうなのだ。たぶん、これなのだろうと思う。外実という場所は、事務局という場所は、ただただ愛に溢れた場所なのだと思う。とまぁ、さらっと書いてしまったが、ただただ愛に溢れているということは中々にすごいことである。できることならずっとこの場所にいたいと思っているが、そういうわけにもいかない。居たいのに、出ていかなければならない。あ、これが引退というやつか。であれば私は、この夏「引退」する。無条件に可愛くて寂しいくらいに頼りになる後輩、笑いが絶えなくて誰よりも信頼出来る同期、そんなみんなから少しだけ離れてしまう私は、もうあと少しで引退だ。 

 

うぉると(事務局3年)