インスタント異文化交流

こんにちは。広報局2年のじまです。
クラスメイトが次々にショートビジット(夏の間の短期留学)に旅立つのを見届けながら、私は日本に残ってダラダラしています。

留学の醍醐味と言っていいのが異文化交流ですね。
数年前に私がオーストラリアに行った時に、お好み焼きを作ってほしいと頼まれました。しかし、現地には薄切りのバラ肉という概念は存在せず、ホストマザーが肉屋に「Thinner!(もっと薄く!)」とキレ気味に交渉してくれましたが、結局1センチくらいの厚さの肉をひたすら叩いて伸ばして使うことになりました。最終的に水を加えた小麦粉を焼いたものにステーキを貼り付けて数回強めに殴ったような風貌のお好み焼きになり、こんなパズルゲームあったよなとか思いながらパーツを組み合わせて皿の上で円く整形しました。そしてなんか不安だったので電子レンジで執拗に温めた挙句、やっぱり半生な感じのままお出しして「君いつも日本でこんな感じのを食べてるの?」とホストファザーに疑われるという経験をしました。
さっきググったら「海外 薄切り肉 ない」で検索候補が出てきたので、結構あるあるのようです。日常的な食卓の食器としてナイフがある欧米では肉は大抵丸焼きとか厚切りとかで個々人でスライスして食べる一方で、主に箸を使う日本などではそういうことができないから肉を最初から薄切りにしてしまおうということらしいです。ためになりました。

さて、オーストラリアの悪夢(お好み焼き)の話はひとまず置いておいて、「異文化交流」はなにも海外の文化に触れるというだけではないという話を書いてみようと思います。
外大では年中半袖の先生がいたり、ドイツ語文法に対して「可愛い」と真剣に説く先生がいたり、講義中にダンスパフォーマンスをしてくれる先生がいたりと、少々癖の強い方々と接する機会が多いのです。異文化交流ですね。また、大学外でも「異文化」に触れる機会は多々ありました。

冬の頃です。私がマンションのエレベーターを待っていると、一人の女性に声をかけられました。
「虫って大丈夫な人ですか?ちょっと私の部屋に来てくれませんか?」
怪しすぎます。
ついていきました。
どうやら部屋にカナブンが出たが自分ではどうしても触れないので代わりに逃がしてほしいということらしく、私自身文明の生活に慣れたタイプのヒトなのでそこまで虫が大好きというわけではなかったのですが、その女性の部屋に足を踏み入れました。
まず目についたのは立てかけられた数本のギター、ベッドの上のキーボード、そしてエスニック感がすごいカーテン、無数のウィッグ、謎の紫の液体が入ったコップ、大量の付箋が貼られた週刊少年ジャンプ。一瞬カナブンのことを忘れました。
カナブンを紙でキャッチ&リリースした後、この情報量の多い部屋は一体何なんだと思わず聞いてしまいました。その女性―仮にKさんと呼びます―は私と同い年で、そしてやはり音楽の勉強をしているそうです。私は普段音楽は聴かないので、作詞作曲してギターで演奏して…という世界は完全に未知の領域でした。
漫画が好きだということで意気投合し、今度作った曲につけるMVの撮影を手伝うことになりました。
映像に関しても私はド素人でしたが、ただスマホで指示通りのものを撮影してくれればいいとのことだったので、軽い気持ちでまたKさんの部屋に足を踏み入れました。
まず撮影したのはバイク用のヘルメットをかぶって廊下を全力疾走するKさん。カオスの始まりでした。次に、紫芋パウダー配合炭酸水を風呂場で吐き出すKさん。蛇のぬいぐるみに首を絞められて死んでいるKさん。布団をめくったら死んでいるKさん。そしてトイレのドアを開けるとやっぱり死んでいるKさん。何を撮影しているんだろう。私は死体役に向かって「あぁ~いいよ~目線、目線頂戴」などと口走っていました。
後日、KさんからMV付きの曲が送られてきました。一周目は視覚に全ての意識を持っていかれたので、音楽を聴くために二周しました。
今思えば、これも「異文化交流」でした。Kさんについていかなければこのカオs…音楽や映像の世界に触れることは無かったでしょう。下手すると留学より濃い経験をした気がします。
Kさんは今は他の場所へ引っ越していますが、元気にしているでしょうか。虫を見るたびに思い出します。どうせならもう少しいい感じのトリガーが良かったのですが。

別の世界、異文化に触れることほどわくわくすることはありません。それが外国だろうと、自分の知らない専門分野だろうと、知らない人であろうと、その価値に優劣は無いと思っています。
まだまだ触れられる異文化はたくさんあるはずです。
外実に入っていなければこうして文章を書くことも無かったし、クジラに洗脳されることも、デザインの勉強をすることも、素敵な仲間に出会うことも無かったでしょう。
少しアンテナを張ると身近なところに異文化はたくさんあります。
異文化交流を通じて自らを省みて…と言いたいところですが、暇だし何か楽しいことないかな~くらいの感覚で、異文化を探して少し覗いてみる、そんなインスタント異文化交流をこの夏していこうと思います。

予想外に長くなってしまいました。特に関係ありませんが猫ちゃんの写真をお見せして終わろうと思います。可愛いですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

じま(広報2年)