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幼馴染に恋をした話

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こんにちは。渉外局3年のしょーやんです。

感慨深いことに、なんと3度目のスタッフブログを書くことになり、しかもこれが最後になってしまうという・・・寂寥感を覚えております。

そして残念ながら、留学により秋の外語祭には立ち会うことができないというのが寂しさに拍車をかけます。

これまで書いてきた2回のブログでは一貫して「専攻地域と関係ないことを行える外大の自由さ」を前面に押し出しており、かなりハイテンションに専攻地域ではない東欧の国を推していました(そしてなんと今年、バルカン研究会というサークルを作ってしまいました)。しかし、自由が効くと同時に、そんな曖昧な状態でずっといるわけにもいかないのがこの学びの場。いつかは進路や留学のことも決めなければならなくなり、結局はやはり留学への思いが強いということで、3年生からの留学を決意しました。

では、どこに行こうか。

この大学にはたくさんの協定校があります。行ったことのあるスロヴェニアやリトアニアはもちろん、学内でもあまり知られてないですがセルビアやブルガリア、ルーマニアなど東欧にも留学しようと思えばできるのです。

友人にも、また教授たちにも、どの東欧の国に行くのかと質問攻めに遭いましたが、残念。どの国でもありません。

留学先として選んだのは「台湾」です。

 

本当にとても驚かれました。「結局はそこにするの?!」と。

いやでも僕の専攻は東アジア地域中国語なんだから当然じゃん!(カミングアウト)

今に至るまで15個の言語に触れてきましたが、やはり一番やりこんだのは中国語。そしてゼミにおいて研究テーマにしたいアイデンティティ・スタディ(帰属意識や民族問題、排外主義などを探るもの)というものに少しでも関わってくるのが台湾だったのです。

そして、その後の出来事によって台湾という地域への愛着が一番強くなるに至りました。この大学では留学はかなり一般的で、短期留学に数回行く人も少なくありません。御多分に洩れず僕もスロヴェニア、リトアニアに既に足を運んでいましたが、この前の3月に留学の下見も兼ねて長期留学の行き先である国立台湾大学にも行ってきました。すると、現地で人の優しさに触れ、繁体字のかっこよさに触れ、歴史の面白さに触れ・・・元々中国大陸との関係性などで存在自体がふわふわしていると思っていた地域が一気に身近に感じられるとともに、さらに学習欲が引き立てられたのです。

台湾研究はなかなかに捉えどころがない部分が多く理解に苦労することが多いのですが、今では本ゼミと並行して台湾の副ゼミを取っています。本ゼミとの兼ね合いが大変ですが。

結局自分の歩んだ道を見ていると、専攻地域へ「回帰」してきたという印象が強いです。恋愛に置き換えるならば、高嶺の花(東欧)に恋い焦がれていたけど、実は本当に愛すべきなのは身近で支えてくれた幼馴染(台湾)だったというストーリー展開。書いてて可笑しくなってきましたが、外大生の地域への愛着は恋愛に置き換えれば全て分かりやすくなる気が・・・しません。僕だけか。

この大学では語科というのが個々のアイデンティティに直結します。昨年このブログで「僕はバルカン地域クロアチア語専攻です」などとほざきましたが、口ではいくらでも専攻を捏造できます。しかしどれだけ学年が上がっても、結局「専攻語」という桎梏からは逃れられない。学内で初対面の人に自己紹介する際には「何語科?」という質問が付きまといます。

一時はそれに息苦しさを感じていましたが、今になって東アジア地域中国語専攻という道に進んでよかったと心から思います。

寄り道に次ぐ寄り道によって辿り着いたこの結論。「当たり前のことにようやく気付いたか」と言われるかもしれませんが、こんな外大生活があってもいいと思いませんか?

 

写真は今年の9月から留学する国立台湾大学。

遠くに行っても外語祭を応援しています。

しょーやん(渉外3年)